e-onkyo music 2015/04/22

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1993年に東京での活動を突如打ち切り、アムステルダムへと旅立った稀代のトランぺッター近藤等則。以来21世紀の音楽を模索してきた近藤等則が6年ぶりの新作となる『Toshinori Kondo plays Standards~あなたは恋を知らない』をひっさげていよいよ日本に帰還!初のハイレゾでリリースされた本作と、音へのこだわりについてお話を伺いました。

e-onkyo music 2015/04/22


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『Toshinori Kondo plays Standards~あなたは恋を知らない』 (192kHz/24bit)/近藤等則

— 今回初のハイレゾ配信となりますが、作品の音質についてはかねてから拘られてきたのでしょうか?

近藤:僕はLPからCDに移り変わる頃からのミュージシャンじゃないですか。CDなんてときはもう、むちゃくちゃ腹立ったからね。こりゃもう音楽殺すじゃんって。こんなCDの音聴かせたらどんどん音楽ファンいなくなるぞと。その時ギャーギャー言ってたからね。便利性のほうに走ってしまって音の気持ち良さを無視したわけでしょ。

— 私が近藤さんを最初に知ったのはIMAバンドの「大変」っていう作品でした。あの当時はどういった録音をされていたのでしょうか?

近藤:「大変」なんかは2インチの、アナログマルチで録音している。1リールで15分しか録音できないというね。1リール3万くらいするんだよ。

— 84年というとちょうどCDが82年からですから、始まってすぐの頃ですね。

近藤:そうだね、でも当然LPもまだあってね。アナログの頃はもう、笑い話がいっぱいあるよ。何dBまで入れるか?とかね。他にも変な試みいっぱいしてたよね。うん。楽しかったよね。

— 今回近藤さんとして初のジャズ・スタンダード集の発表となりましたね。

近藤:僕のスタンダードは、聴いてもらえればわかると思うけど、これまで数多、スタンダードの作品って出ているわけでしょ。でもその多くはアコースティックの楽器でしょ。俺の場合はこの、エレクトリックトランペット。そのエレクトリックトランペットをずっと開発していく中で、やっと2003年当時、ちょっと落ち着いた音が出だしたんで、このエレクトリックトランペットの音質でスタンダード演ったらどうなるかなと思って、演ったんですよ。人と同じことをするのは絶対いやだから、アコースティックのスタンダード集を演ったらとか、昔も色々な奴に言われたことあるんだけど、俺がそんなことしたって何の意味もねぇじゃんって言って。

— トランペットのベルの前にマイクを付けてエフェクトをかけるケースが多いようにも思いますが。

近藤:それが、僕の場合はマウスピースの中に穴を開けて、マウスピースの中にマイクを突っ込んでいるわけ。ベルの前じゃない。だから基本的に、超ここは企業秘密なんだけど、でも全然言っていいんだけど(笑)、ベルの前につけたマイクじゃ絶対に俺のような音質は出ないわけ。だって唇から数センチのところにもうマイクがあるわけでしょ。トランペットは長さが1メートル44センチあるんですよね、だからベルってことは1メートル44センチ先で鳴った音。ここだと吹いた音が拾える。もっとこう呼吸だとか生々しいというか、いろんな細かいニュアンスが出るという。 俺は1979年にニューヨークでそれを始めたんだけど。79年のころはバーカスベリーっていう世界で1つしかメーカーがなかったの。だからマイルスもそれを使っていたんだけど、それじゃああんまりハイが抜けないし、音質が良くないの。だからマイルスも途中でギブアップしたのか、途中でベルの前になったけど。エレクトリック・マイルスの頃は、マイルスもマウスピースにぶっこんで演ってたんだけどね。

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— 今回の収録曲ははどう選んだのですか?

近藤:うん、俺が勝手に選んだんだけどね。もう1、2曲本当はやっているんだけど、それは外したの。ステラ・バイ・スターライトとか本当はやっているんだけど。

— 最終的にこれらの曲が選ばれた理由は?

近藤:うん。女殺しのメロディー。(笑)どこまでエッチに吹けるかを、もう耳元で囁くようなね。それまではヒットラーみたいに5万人の軍隊に号令をかけるようなラッパしか吹いてなかったんだけどね、ブアーとさ。それをプワーっと。プライベートルームでお姉ちゃんに囁いてるような。だから、この作品はヘッドホンして録音してる。ヘッドホンしてると自分の耳元に囁いて聴こえるじゃない。

— じゃあ、ヘッドホンリスナーにもオススメですね。

近藤:うん。ただし、男殺しのメロディーじゃないからね。(笑)

— アムステルダムから帰国されて、これから国内での活動も本格化していきますね。最後に今後についてお聞かせいただけますか?

近藤:近々東京のどっかスペースを見つけて、最高音質の音場空間を作ってそこで俺、ソロで演りたいの。だからもうLRとかいうダサいんじゃなくて、最低でも48kでサラウンドにして、で、上下方向にも音が伸びていくようにして。サウンドっていうのは十字架で、上下と左右とどっちもあるからね。で、とにかく一発音聴いただけで、なんだこの音質はという、そういうライヴを演りたいんだ。本当にひたすら気持ちいい音を本当に聴かせたらお客さんまた帰ってくるよ。間違えなくね。言ってみたら、女の子に下着をプレゼントする時、シルクの下着と木綿の下着、どっちが喜ぶか。それはシルクのほうが肌触りが良くて喜ぶよね。音だってそうなよね。木綿みたいな音、シルキーな音。ハイレゾってシルキーな音でしょ。
本当に我々の責任は、音楽を聴いてくれる人たちに、最高の音質を提供することだと思うよ。ロックの音楽がはびこってた最近までは、音質よりも音量だったでしょ。音がでかいことがね、It’s rock’n’rollだったわけで。だからクオリティ(質)じゃなくてクオンティティ(量)だったわけでしょ。大量生産・大量消費にピッタリだったのがロックだったわけだよね。うん。デカけりゃいい、沢山売れりゃあいい。でももうそういう音楽の聴き方はもう皆んな飽きたんだと思うよ。だから本当に音のクオリティ。それが良いのを作品としても出すし、ライヴでも演るということだよね。

【新作アルバム発売記念イベント「トーク&ミニ・ライヴ」開催!】
今回の新作「Toshinori Kondo plays Standards~あなたは恋を知らない」のハイレゾ版試聴をはじめ、 トークやミニライヴも予定した盛りだくさんの内容!
2015年5月10日(日)14:30開場/15:00開演
東京・八重洲 Gibson Brands Showroom TOKYO(2F)
www.jp.onkyo.com/gibsonsr/
出演:近藤等則、立川直樹
※ご予約は終了しています

【近藤等則ライヴ “~Toshinori Kondo plays Standards~あなたは恋を知らない”】
2015年6月29日(月)18:30開場/19:30開演
渋谷クラブクアトロ